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(2024年3月28日更新)

満足する生き方を考えたとき、在宅ワークは最良の選択肢でした

35歳のとき、未経験からフリーランスのライターになりました。そのとき子どもは1歳、私は離婚したばかりのシングルマザーでした。フリーランスに決めたのは、ライターでの業務経験がないうえに、子どもが保育園のため、働ける時間が限られていたので、私を雇ってくれる企業がないと感じたためです。
結果的に在宅ワークとなりましたが、今振り返ってみると在宅での仕事でよかったなと思うことばかりです。そのことをお話する前に、ライターになる経緯について触れておきます。

ライターを目指すきっかけは、東日本大震災

3.11のとき、横浜のビルの30階でライター業務とは関係のない仕事をしていました。ビルが折れるのではないかという揺れに、思わず「死」を意識。そのときに、さまざまな「後悔」が頭をめぐりました。なかでも一番大きかった想いが「書く仕事をしたかった」というものでした。震災後、やりたい仕事をする人生を送ろうと、10年間勤めた会社を辞めました。

その後しばらくして、妊娠し2012年7月に長男を出産。妊娠中はつわりがひどく、産後は、ホルモンバランスの崩れと、3時間おきの授乳による寝不足で、精神的に参ってしまいました。そのころに夫婦関係が破綻し、2013年5月に家族3人の幸せを考え離婚しました。

再スタートをきろうと、ライターの道に挑戦することにしました。まずは、知人に息子を預かってもらい、ライティングを学べる専門学校に通う機会を得ました。平行して、WEB媒体で執筆の仕事をいただくことができました。当時、息子は目が離せない時期で、仕事ができるのは息子が寝ているときだけ。時間が足りず、貯金を切り崩して息子を一時保育に預けたりもしました。2014年4月に保育園に入園。保育園にいれるために、執筆とは無関係のパートをこなしながら、ライティング業を増やしていきました。今はライティングのみの仕事をしています。

在宅ワークのよさは、子どもの体調や成長に寄り添えること

在宅ワークをして良かったことは、なんといっても息子の状況にあわせて仕事量を調整できることです。保育園に入園した当初、息子は喘息のような咳に悩まされ、一度咳き込み始めると嘔吐し、酸素ボンベのような器具で薬を吸入しないと咳が収まらない症状が続きました。
夜間にその咳がはじまると、シーツの上に嘔吐するので、シーツを何度か替え、徹夜で看病することになります。また、保育園で流行するいろんな病気をもらってきて、時には私にもうつるので、ライターの仕事ができたのは1週間に1日ということがざらでした。
咳の症状が落ち着くようになった8月ごろまでは、仕事量を最低限にすることで乗り切りました。企業に属していたら、まわりに迷惑をかけすぎ、身が細る思いをし仕事を続けられなかったかもしれません。

また、息子の成長に寄り添えたことも良かったと思います。息子の発達は、ゆっくりで気になるところがありました。
息子は人よりもモノへの興味が強いタイプ。ママと呼べなかったり、なかなか視線があわなかったりしました。仕事の量を調整することで発達のための情報収集をすることもでき、息子にあったトレーニングを自宅で実施することができました。
息子のようなタイプは、3歳になる前にトレーニングを開始すると、格段に成長を遂げることが学術的にもわかってきています。現在息子は2歳半。まだ、気になる点はありますが、深刻な状況を脱することができました。
二度と戻らない息子の貴重な時間に、適切な行動を選択できたのも、在宅ワークだったからだと思います。

キャリアを築きながら、家族も大事にしていく

在宅ワークで大変なことは、継続して仕事を得ていくことや、体調が不調でも休まずに締切を守らないといけないこと。また、WEB媒体での執筆は、報酬が低めな傾向にあります。より多くの報酬を得るために、自己研鑚やコネクションづくりの必要性を感じます。
また、フリーランスは自分の裁量で仕事量を決められる分、精神的に孤独になりがち。仕事を助けあい情報交換ができるようなネットワークが作れるといいなと思います。フラウネッツのような、在宅ワークのネットワークは素敵ですね。

最近、キャリア理論で面白い考え方を知りました。スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱した理論で、「計画された偶発性理論」というもの。計画と偶発性(偶然)というと、対照的な言葉に感じるのでイメージが湧きにくいですよね。
意味は、キャリアは偶然の出来事で築かれるものが多いので、よりよいキャリアにするために様々な行動をしようという考え方です。
ビジネスで成功している人たちのキャリアを調査した結果、最初から目標に掲げてそのキャリアを築いたわけではなく、いろいろな行動の中で偶然キャリアにつながる機会に遭遇し、何かを成し遂げてきたという結果がでました(「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定」されているそう)。

行動していれば、自分の特性にあった仕事内容やチャンスが偶然おとずれる。そのためには、いろんな打席にたってみることが必要なのだと感じました。
一方、キャリアの獲得のためにその時間を優先しすぎて、家族のことで後悔することがあったら、幸せを感じにくいように思います。在宅ワークは、家族を大事にしながらキャリアが築ける最良の選択肢。
その時々において、仕事と家庭の一番よいバランスを選ぶことができます。家族の笑顔を大切にしながら、在宅ワークで様々なことにチャレンジしていきたいです。

福井万里

大学卒業後、システムインテグレータでSEとして10年間勤務。東日本大震災を機に、本当にやりたいこと(書くこと)を生きがいにと決意し退職。2012年に長男を出産するも、2013年に離婚、シングルマザーに。2014年からフリーランスのライター業を開始。子育て系の記事を中心に、生活に密着した共感を得る記事や、前を向ける記事を執筆中。https://twitter.com/osamariii

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