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32歳からの選択

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(2024年3月28日更新)

海外転勤にも対応できる柔軟さ。自分らしく働く意義

自宅で仕事をするという働き方を選ぶ女性たちが増えています。彼女たちはなぜその選択をし、どう自分の人生を切り拓いているのでしょうか。長女の妊娠・出産と同時にデータ入力の仕事を始め、現在は6人のスタッフを抱えるLemon Works代表の伊藤智子さんに、在宅ワークへの思いを聞いてみました。前後編に分けてお届けします。

24歳で寿退社。在宅ワークを始めた理由とは。

――大学卒業後、商社に勤められて24歳で寿退社されたそうですが、仕事を続けるという選択は考えませんでしたか?

伊藤さん:そのころはまだ女性は結婚すれば家庭に入るのが主流で、周りも「寿退社が女の夢」という雰囲気でしたから、その流れに乗って迷うことなく家庭に入ろうと。仕事をしながら育児をする今の自分の姿なんて想像もしていませんでした。

――分かります。今在宅ワークでバリバリ仕事をしている方もたぶん皆さん、そんな感じなんですよね。では、なぜ仕事をまた始めようと思ったのでしょうか?

伊藤さん:長女を出産したのが26歳の時なのですが、妊娠が分かったころから在宅でデータ入力を始めました。家庭に入ったけれど友人の多くはまだ働いていて生活のパターンが違ってしまい、昼間ポツンと一人で家にいると寂しくなって。何かこう、時代や社会とつながっていたいと思うようになったのです。

――仕事といえばパートや就職という選択もあったと思います。なぜ在宅でデータ入力をしようと思ったのですか?

伊藤さん:妊娠していましたから外に働きに行くことは考えられませんでした。昔からパソコンを触るのは好きでしたし、ネット回線もちょうど普及し始めたころでしたので、インターネットで検索して「この仕事なら今から始められる」と思ったのがきっかけです。私は自分で何かを創造するより、資料をそのまま打ち込んでいくような仕事のほうが向いていると思っていたので、データ入力の仕事は理想的でした。

在宅ワークの難しさとメリットは紙一重!?

――仕事を始めてみて、いかがでしたか?

伊藤さん:15歳年上の主人は「女性は家庭」という考えで、最初は全くいい顔をしませんでした。だから家事も手を抜かずにやりたいと思うのですが、やはり納期があると家にいても家事が出来ず子どもにも構ってあげられない時があります。プライベートと仕事が混じっている感じですから、メリハリをつけるのが難しいと思いましたね。これは今でも課題ですが(笑) 仕事自体も最初は悪徳業者に騙されたりつらい目にも遭いました。でも、納期を守りきちんとした仕事を仕上げていくことで「では次はこちらもお願いします」という感じで信頼関係ができ、受注が増えていきました。

――在宅でよかったと思うことはありましたか?

伊藤さん:やはり子どもが小さいときに何かと融通がきいて助かりました。幼稚園のお迎えが早くなったり、PTAの活動があったり、という時にも対応できますし、子どもが熱を出した時などはそれこそ「よしよし」しながらパソコンに向かって、ちょっとした時間をつくって病院に行くこともできますから、子どもだけでなく私自身にも安心感がありましたね。ゲリラ豪雨にも対応できることとか、少しの時間をつくって家事ができるのも、メリハリをつける難しさはありますが、在宅のメリットだと思います。

――確かに在宅ワークには、家事や育児と仕事のバランスを自分で調整できるメリットがありますよね。ただ、それはそのまま在宅ワークを続ける難しさにもつながるのかもしれません。後編は、在宅ワークを続けていくために必要なことなどを聞いていきたいと思います。

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